2012年11月9日金曜日

外山少年ローマから

  加藤 朝美 
 10月27日に外山くんがいよいよ出発。
70キロのブロンズを3つスーツケースに入れて先に日本に入ってくれます。成田から宅急便で送っては木工所の仕事に間に合わないから、29日にそのまま新幹線で山形の木工所に手渡しと説明代行。人生のうちで2度めの新幹線。
 でも、どうやって3つのスーツケース持って広い東京駅で乗り換えするんだァ?

 面白いと言っては失礼だけど、二十歳の外山くんが木工所のプロの人達に、取り付け位置や穴の位置、注意事項を説明してしまうんだから・・・・。そして12月には母校にこの外山指示のブロンズ取っ手の扉が設置される。

 1031日の搬入にも、展覧会で見せるメインのブロンズ取手が着いた玄関扉の搬入があり、
ここでも4人の作業員に位置と照明の場所等を指示する外山くんの姿が見もの。310cm,高さ250cm4枚の扉つきで展示し、更には20点前後の作品の設置も彼が進めるんだから。

心配?
全然ない。
だって彼がアトリエで制作準備して、ブロンズ屋でも設置位置を何度も確認しているから。メガネを探して2時間もウロウロしているぼくよりかなり判っている。アトリエでも休憩のコーヒーを飲みながら、何度も何度も打ち合わせもしたし、重用なのは「感覚、感性」。正確な位置なら図面や写真を見せればいいことだけど、回りがあっての配置だから、外山くんの感性に期待するしかないよね。


作家のぼくは遅れて112日に成田に着。実家所沢から5日に山形に入り、展覧会が始まっている会場のシベールには直行せず、歩いて15分隣の黒沢温泉に直行。
翌日6日、朝風呂を浴びてから夕方のオープニングに臨みます。

今年の3月は同じシベールの未来館で、「ボローニャの風景」の作品を設置した時は、夫婦ともに仕事に追われてボロボロ。やっと作品が仕上がっても、イタリア側で間に合わない書類や通関でクタクタになって帰国。更に成田のハードだった5時間の通関、500キロの作品を調べて課税して。
そこからすぐ新幹線で山形の設置へ。

 その滞在期間、この温泉と眼の前に広がる蔵王と日本的な朝食に救われました。気持ち的には昨日入ったばかりのローマの自宅風呂から、今日は黒沢温泉の湯の中へ、タイムスリップする「テルマエ・ロマエ」の阿部寛ように。日本の浴衣をローマ風(トーガ)に着て、日本食を不思議そうに食べる古代ローマ人に扮していました。

どうでしょう?黒沢温泉と目の前の蔵王の紅葉とシベールの展覧会は。運が良いと黒沢温泉からローマのカラカラ浴場へタイムスリップ出来るかも。(衣類は現地で調達してください)

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