2011年9月21日水曜日

古里へ

 先週の土曜日に徳さんに誘われ、女川町から少し離れた出島(いずしま)とい
う島に行ってきました。出島は震災後に仮設住宅も建てられたが、島を離れ避難
所生活をまだ続けている方や島を離れて仮設住宅で暮らし始めた方が多いといっ
た状況でした。
 あの日は島人のための運動会があり、徳さんはそこでかき氷をふるまうために
、朝から出島に行っていた。僕は南三陸に行った帰りで午後4時に女川の港を出港
する漁船で出島へ渡った。宮城に来て船に乗ったのは初めてで、小型の漁船から
の島や海岸の眺めは最高に奇麗だった。地盤沈下した船着き場は海の中にあり着
岸できないので、ボートくらいの船に乗り換えて出島に降り立った。そこから軽
トラの荷台に乗り、震災後廃校と化してしまった山の上の小中学校に着いた。
 そこには50名ほどの島人と数名のボランティアがいた。小中高生や僕と同い年
の男性も一緒になってサッカーをしたり野球をしたり、火を囲んで焼き肉をした
りと仲良く遊んでいた。久々の母校が本当に嬉しそうに、ぼくには見えた。
 夜になり花火が上がり、会が閉じ、そこからまた女川へ戻るため軽トラの荷台
に乗り港へ向かった。横に座っていた小学5年生のリョウくんが夜空を見上げ一言

     「うわ〜、ほしきれい。やっぱりいずしまだけだね」
 
 真っ暗な港に着き、真っ暗な女川港を目指しみんなで帰る。来た時と同じ船に20
分ほど揺られながら、海面を見ると小魚がちびちび飛び跳ねていた。
 僕が石巻に着いたのは午後9時くらいだった。

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