2012年9月26日水曜日

タメルスの生活

投稿者 加藤朝美
山小屋の生活
エンマおばあさんと作品

・いよいよチロルの95歳のおばあさんとの生活に外山くんが加わります。

待ち合わせのフォダーラ・ロッジが1980mで、この山小屋は標高1400mだからそれほど高くないけど、この8月に毎朝ストーブを焚いて食事を準備し、晴れた昼は半袖で過ごして、夜はまたキッチンストーブを焚いて夕食を食べ、羽毛の布団で眠る。その夜中にはこの小屋の周りを50頭近くの大鹿が音も立てずに森から移動して音もなく草を食べ、早朝には何もなかったように静かな草原に戻る。5人いたら騒々しいイタリア人と比べると、大鹿の共存の姿勢に感心。

 なぜここに
左下の家がエンマおばあさんの山小屋
・エンマおばあさんは昔から夏場は麓の町から小さな5人の子供を連れて自然で育て、年とともに孫を連れて夏を過ごして来たが、孫も仕事に就くと8月の観光シーズンでは誰も来られなくなり一人に。そこへ冬のスキーよりも夏の山に多く来だしたぼくらに白羽の矢が立った。ぼくらはこんなドロミテのど真ん中に住めるなんて、とラッキーな白羽の矢。ところがおばあさんの家族はテレビも電気もない所へ泊めてしまって…、と申し訳なく思い、最初は息子たちのホテルの食事やお菓子が食べきれないほど届けられ、まるで生贄の白羽の矢のようだった。

・その共同生活も10年続き、食事もローマの家の畑で採れた野菜をドロミテまで持って行き野菜中心の食事に。しのぶが料理する日本風料理を全て美味しく食べてくれ、好物のお好み焼きの時などは得意のヨーデルを歌って焼きあがるのを待っている。朝は、腕がうまく上がらないので、髪を三つ編みにして丸くまとめるのはしのぶの日課に。
山祭り

 エンマおばあさんの娘や親戚が訪ねて食料・お菓子差し入れも多い。そしてここは登山口近くだからぼくらの友達も登山の前に後に立ち寄ってくれ、その貰ったお菓子を食べ尽くして帰るので、中々賑やかな毎日。丁度この日は山祭り。孫たちが毎年ここからの山岳ルートを出発し、友人のロッジを回って歌って飲んで、また歩いて登って…歌って。夜中にこの山小屋へ戻って来てどこかしらのベッドに潜り込んでいる。

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